芦生の森に棲むモリアオガエルの卵とアカハライモリ

私は小学生のときは 昆虫採集や植物採集が大好きで、春から夏の間は 網と虫かごと水筒と新聞紙の束の入った袋を持って出かけていました。昆虫はトンボの仲間とチョウの仲間を採集していたときが長かったような気がします。
植物は薬草採集のときと羊歯植物採集の時代がありました。中学生になると石に興味を持つようになりました。
・・・といった具合に 野山で遊んで過ごしていました。だからほとんどの生き物には触られるのですが 爬虫類と両生類は苦手を克服できませんでした。その中で、アマガエルとカジカだけは平気です。

私が美山を訪れたとき、大阪の小学生たちと京都の小学生たちが学校から課外活動できていました。由良川に入って魚やかえるとりをしている様子が楽しそうで、私の昔を思い出しました。

 モリアオガエルの卵

芦生の森の長治谷キャンプ場に作業小屋がありました。小屋の裏に大きな水溜りのような湿地帯があり、まわりの木々に白いボールのような、綿菓子のようなものがどっさりついていました。モリアオガエルの卵です。親は見当たりませんでした。
コナラの木でしょうか高いところにも卵があります。モリアオガエルはあんな高いところまで上るのでしょうか?

池のような水溜りのまわりにある卵




トチノキに産み付けられた卵




かなり高いとこにまで卵がありました




今にも落ちそうな卵




モリアオガエルは森林の樹上でくらすカエルです。日本では産卵も樹上で行なう唯一種のカエルだそうです。4月から7月の間に池・沼などの水面に張り出した木の枝や水辺の草むらなどに卵をうみつけます。一匹のメスにたいして数匹のオスが抱きつき、メスが産んだ卵をかき回して泡状にするのはオスだそうです。
卵は約1週間後に、白いあわの中でふ化し、雨の降る日、白いあわが溶け、オタマジャクシは池の中へ落ちていきます。

アカハライモリ

モリアオガエルの卵がある木の下のため池の中にはたくさんのアカハライモリが棲んでいました。腹が赤いのでアカハライモリと呼びますが、日本固有の種だそうです。
この池にはモリアオガエルの幼生が落ちてくるのを待っているアカハライモリがあまりにたくさんで またたくまに卵はなくなりました。一度に300から500個の卵を産むそうですが生き残るのはわずかなようです。



白い泡はモリアオガエルの卵です。中のオタマジャクシはすぐに食べられてしまいました








「イモリ」は、漢字で「井守」と書き、「井戸を守る」「水田を守る」の意味からという説があります。イモリがきれいな水に棲んでいることからでしょうか?
イモリの天敵はゴイサキなどの鳥ですが、赤い皮膚に毒があり、イモリは天敵が少なく長生きするらしいです。




芦生の森はコアジサイの花盛り

森に入ると道の壁は薄紫のコアジサイが満開でした。コアジサイは装飾花を持たないので地味な花ですが 山にあってはなかなか風情があります。






ジキタリス(狐の手袋)

森の日当たりがいいところにジキタリスが群生していました。そこだけ華やかで 森には似合わないような場所でした。
どうして ここにジキタリスが群生しているのでしょうか?
鳥によって種が運ばれたのでしょうか? この森では人為的に植えたり抜いたりはしないそうです。