かつての琉球王国の城・首里城見学

数年前に八重山諸島を廻ったときは春でした。天候に恵まれて石垣島西表島竹富島の白い浜辺とコバルトブルーがとても印象的でした。その海をもういちど眺めてみたいと思いました。
ところが、1月の沖縄はそれほど天気がよさそうでもない話。グアムにしようか?
それだったら北海道の雪景色を見たいなぁー! あれこれ迷った挙句 地理に疎い私たちが廻りやすいということで沖縄に決めました。
次はホテルです。春だったら開放感あふれるリゾートホテルがいいですよね。オーシャンビューの部屋から青い海を眺めて過ごすのは想像しただけでワクワクします。
「旅の目的は?」娘に聞かれました。見学したいところがたくさんあります。
「じゃぁ、交通の便がいいところがいいわね。」という娘のアドバイスで、「ゆいれーる(沖縄のモノレール)」の駅にも近く 繁華街国際通りにも近い 街中のホテルということでハーバービューホテルクラウンプラザに決定です。
今度の旅行はマイレージが残っているからという娘からのプレゼントでした。
1月4日の那覇は快晴。ぐんぐん気温があがって20℃を超えて暑かったです

機内からみた島と海




ホテルに荷物を置いてゆいレールの一日乗車券(600円)を購入。ゆいレール那覇空港から首里(しゅり)までの12.9kmを、片道約27分で走行しています。10mの高所を走るので眺めがよくて 車で街を走るのと違った景色が楽しめました。快晴の沖縄の町は建物が白っぽくて起伏が多く緑が多いので地中海的な景観と似ているような感じがしました。
ゆいレールの一日乗車券を見せると首里城などの入場券が安くなりました。(800円→640円に)
沖縄では城のことをグスクといい、首里城はスイグスクです

琉球王国は中国、日本、朝鮮、東南アジアの国々と外交、貿易を展開していました。首里城は450年近くの王国の政治、外交、文化の中心地であったところです。
首里城は中国の城の影響を大きく受けていて、門や各種の建築物は漆で朱塗りされており、屋根瓦には初期は高麗瓦、後に赤瓦が使われ、各部の装飾には国王の象徴である龍が多用されています。城郭は琉球石灰岩で積み上げられています。
首里城は、1945年にアメリカ軍の攻撃により全焼したのですが、戦後、跡地が琉球大学のキャンパスとなり、大学移転後に復元されました。2000年12月に首里城跡は世界遺産に登録されました。
守礼門首里門、別名「上の綾門」2千円札の象徴です




安全祈願の園比屋武御嶽石門

園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)は門というよりは礼拝所だそうです。琉球王が外出するときに安全祈願をする「礼拝の門」だったそうです。



中国の使者を歓迎した歓会門(かんかいもん

歓会門は首里城内に入る第一の正門です。中国からの使者「冊封使」(さっぽうし)たちを歓迎するための門で、別名「あまえ御門(あまえうじょう)」。「あまえ」とは「喜ばしいこと」を意味しているそうです。門の両側には魔除けのシーサーが鎮座しています。






貴重な湧水のある瑞泉門 (ずいせんもん)

「瑞泉(ずいせん)」は「めでたい、清らかな泉」の意味があるそうです。門の手前には「龍樋」(りゅうひ)と呼ばれる湧水がありました。




「龍樋」(りゅうひ)と呼ばれる湧水








水時計の漏刻門(ろうこくもん)

漏刻門(は中国語で「水時計」のことだそうです。首里城第3の門であり、別名「かご居せ御門」。駕籠に乗って登城する首里城の高官たちが、首里王に敬意を払い、ここでかごから降りたと言われています。



設置した水槽から水が落ちる量で時間を計り、太鼓を叩いて知らせ、東や西などの門でも同時に大鐘を鳴らすことによって、城内だけでなく城外まで時刻を知らせたそうです。
漏刻門には水時計の補助をする日影台(にちえいだい=日時計)も置かれています。
久慶門(きゅうけいもん)

久慶門(きゅうけいもん)は 城外へと続く出口にあたる門で、通用門として主に女性が利用していました。 別名 ほこり御門(うじょう)。 「ほこり」 とは 「喜び誇る」 という意味だそうです。







首里城・正殿(せいでん)

正殿は首里城の中心的な建物です。 琉球王国の王城です。
木造三階建で、一階は 「下庫理;しちゃぐい」 と呼ばれ、主に国王自ら政治や儀式を執り行う場、二階は 「大庫理;うふぐい」と呼ばれ、国王と親族・女官らが儀式を行う場です。 三階は通気のために設けられた屋根裏部屋です。沖縄戦を含めて過去四回の焼失、再建を繰り返してきました。現在の正殿は1992年に復元されたものです。



「大庫理;うふぐい」と呼ばれ、国王と親族・女官らが儀式を行う場















弁財天堂と円鑑池(べざいてんどうとえんかんち)

円覚寺(えんかくじ)」の前の池は円鑑池(えんかんち)です。池の中央にある赤瓦の堂を弁財天堂(べざいてんどう)といい、「円鑑池」は1502年に造られた人工池で、首里城円覚寺からの湧水・雨水が集まる仕組みになっているそうです。



弁財天堂周辺にはたくさんのバリケン




首里城からの眺め

首里城は高台にあるのでここから海が見えます。街もきれいです。石畳や城郭は琉球石灰岩でできていて太陽光で白く輝くとき青い空、青い海、白い壁の南国の景色が美しいです。











琉球石灰石はサンゴや有孔虫の石灰分でできた比較的新しい層の石です。見た目は御菓子の粟おこしに似た感じの石で昔は墓石などにも使用されました。現在は建築石材などにも用いられていますが産出量が少なくなってきたそうです。