伊丹市・旧岡田家に飾られたお雛さま  

今日(3月3日)は雛まつりの日です。山陰では今でも旧暦(4月3日)でひな祭り を祝っています。
地域によって異なる風習が残っていると、そのルーツに関心を持つようになりますね。
私は日本列島一律みたいに地域の特色が薄まっていくのが寂しい気持ちです。町の名前も行政の都合で変わっていくのも寂しいです。歴史がしのばれる町名はずっと残して欲しいものです。
そうそう、「ひな祭り」にお供えする桜餅も地域によって違うのでしたね。
前回の記事で道明寺の梅を載せ、桜餅には関西風の道明寺桜餅江戸風の長命寺桜餅のことの二種類あることに触れました。すると、いろんな方から桜餅のお話をきかせていただくことができました。


今朝、何気なくTVをつけると房総半島・勝浦の「「遠見(とみさき)神社」の石段に飾られたお雛様の中継をしていました。
森すえさん の 「恵みはぐるりと回る」 
で観た場面がでてきました。 テレビ朝日スーパーモーニング
その番組の中に二種類の桜餅が出てきて、関西風と江戸風の桜餅について説明がありました。
TVの内容ですと、長命寺桜餅が先にできて、それが関西に運ばれて道明寺粉を使った道明寺桜餅に変化したということでした。
私は二つを食べ比べてみたかったのですが、家の近所には道明寺桜餅しかありませんでした。先ほど美味しくいただきました。





私の子供の頃は八段飾りのお雛さまかざりでした。上段の御殿の中に内裏さまとお雛さまが入っていて、次の段にも御殿がふたつ、右大臣、左大臣でした。
御殿飾りのお雛様がみたいと思っていました。
そよ風さんの 「日々是好日 伊丹盆梅展」 を思いだして、会場に電話してみると「御殿飾りのお雛さま」を展示しているとのことでした。
急いで伊丹市にでかけました。

明治時代のお雛さま




大正時代のお雛さま




私の記憶に残っているお雛さまは 「明治時代のお雛さま」に近いです。
このお雛さまが飾られていたのは 伊丹市「みやのまえ文化郷(ぶんかのさと)」にある旧岡田家です。
重要文化財旧岡田家




この建物は江戸時代延宝2年(1674年)に建てられた町屋で、建立当初から酒造業を営んでいたようです。岡田家がこの建物を所有したのは明治33年です。酒蔵が残っていて現存する酒蔵としては最古のものだそうです。





酒造用カマドです。右側に江戸時代のカマド。
左が明治以降のカマドです。
酒絞遺構
 

岡田家に入ると玄関の間、中の間、奥の間に明治のお雛さま、大正時代のお雛さま、昭和のお雛さまが飾ってありました。











すぐ近くには清酒「白雪」の小西酒造があります








ひょうたんに色づけして「お雛さま」ができました

今年はお内裏さまとお雛さまを飾らないで、瓢箪でつくったお雛さまと、昔信楽で買った信楽焼のお雛さま、和歌山のお雛さまを飾りました。



信楽焼のお雛さま




紀州塗り雛人形








我が家のダイニングの花たち

南向きのダイニングは冬でも暖かく年中花が咲いています。白い胡蝶蘭はまだ花が4つしか咲いていませんが、つぼみがたくさんです。
毎日 つぼみが膨らむのが楽しみです。今年は特にたくさんつぼみをつけています。シンビジウムは3カ月も咲き続けています。
冬の室内を華やかにしてくれる花です。お雛さまと花を比べるのはおかしいですが、蘭もお雛さまも華やぎを感じます。



「雛」には、人間の「人形(ひとかた)という意味があり、平安時代に書かれた源氏物語の「須磨の巻」に源氏が上巳の日である3月3日、浜辺でお祓いをして人形を流すのが描かれています。
 これは自分の災いを「人形」に託して、災いから逃れることを願い「流し雛」につながっていきました。
この人形と「雛遊び」の人形が混同されて、後の3月3日の「ひなまつり」になったと考えられるという 旧岡田家での説明書きがありました。

上巳の日(じょうし)は桃の節句とも呼ばれます。
古来中国では、上巳の日に川で身を清め不浄を祓う習慣(上巳の祓)があり、これが平安時代に日本に取り入れられたということです。
内裏(親王)雛の並べ方が関東風と京風があり、逆になっていますが、どちらが正しいかは定かではないようです。