雨に煙る三多気の桜

 数年前より奈良県宇陀市の水田に映り込む満開の桜「諸木野の桜(もろきののさくら)」を見たいと思っていました。昨年曽爾高原のススキをみにでかけたコースの途中にありました。近くには仏隆寺の千年桜もあります。しかし、狭い道を通るところがあって実行できずにいました。
  以前中国山地にある推定樹齢400年の山桜「千鳥別尺の山桜」をみてから 水田と山桜をもう一度みたいと思ってきたのです。
  今年になってJさんが三重県津市の三多気の桜の話をしてくださいました。どうも私が行きたいと思っている「諸木野の桜」の近くのようです。どちらも三重県奈良県の境にある桜です。桜が咲くころになったら連絡してくださることになりました。
 今年の春は天候不順で、桜の開花予想がはずれてばかりです。電話で開花状況を聞いて4月の23日か24日に出かける予定をたてました。ところが激しい雨で急に桜が散り始め、23日までもたないということです。20日、21日も曇りときどき雨です。22日は激しい雨。
 今年も水田に映る桜をみるのは諦めることにしました。

 諦め気分になった20日の夕方、Jさんから「だめもと」で明日出かけませんかとの電話です。
 早朝出発とは知っていましたが 早朝3時に我が家まで迎えに来てくださるとのことです。
 さぁ、たいへん! 3時となると早く寝ないとだめですが、この日は夫が出かけていて遅い帰宅です。まだ夫に話していませんでしたので12過ぎて帰宅した夫に話すと驚きました。許可をもらって、それからあっという間の午前2時
 午前2時50分家を出発三重県津市美杉町の現地に到着したのは午前4時53分
まだ暗い駐車場には すでに車が17台もとまっていました。他の駐車場をあわせるとさらに多くの車がすでにきているということになります。
 薄暗い小雨の中をのぼっていきました。挨拶を交わす人たちもお互い苦笑しながら「頑張りますねぇ〜」「すきですねぇ〜」

朝5時撮影 村は眠っているように静かです





向こうの山並みは霧の中です





朝7時 雨に煙る桜と水田が幻想的でした





傘をさしながら雨がやむのを待つ人たち





周りには茶畑があり、桜とお茶の緑がきれいでした

















 生駒山を越えて、奈良、天理を通って真っ暗な伊勢本街道を2時間半ひたすら走りました。奈良から伊勢に至る道はたくさんありますが、最短コースが「伊勢本街道」と呼ばれる道です。奈良(猿沢池)から出発し、榛原、山粕、菅野、奥津、多気、津留、相可、田丸などを経て、宮川を渡って山田(伊勢)に到る約129キロの行程が伊勢本街道です。今回は多気までのみちのりでした。

 時間を忘れて幻想的な景色をみている間、たくさんの人がいるにも関わらず話し声ひとつしなくて静かでした。
私たちはこのまま待っていても晴れそうもないと判断して、A.M7:35現地をたって帰宅の途につきました。撮影場所のすぐ上に真言宗醍醐派に属する古刹「真福院」がありました。しだれ桜もあり、県の天然記念物の大杉もあります。創建は白鳳時代(670年頃)で、平安時代には、在原業平平清盛らが参詣したことが伝えられています。雨もつよくなってきましたので 「真福院」見学は次の機会にすることにしました。

多気桜100選の一つで、街道もお寺も桜でうまるそうです





帰り路、針インターで休憩。菜の花、筍、わらびを買いました。
針インターを出発して西に向かうと西の空が明るくなってきました。青空が見えています。
「もうすこし待っていたら おひさまがみられたかしら?」少し心残りもありました。
そんなことより、早朝から迎えにきていただき現地に連れて行ってもらえたことに感謝ですね。
往復5時間のドライヴで、素適な桜風景をみることができました。ありがとうございます。
帰宅すると大阪は朝からお天気がよくて青空がひろがっていたということでした。



<今日からすこし留守にします。よろしくお願いします。>