雄大な阿蘇の風景
10年ほど前に阿蘇を訪れたときも秋でした。
草千里のお土産屋さんの屋上から見た、烏帽子岳と草を食む馬たちの姿を覚えています。その時、今度は春か初夏の緑の草原をみにこようと思ったものでした。
草千里は正式には草千里浜と「浜」がつくそうですね。千里も続く草の浜です。
中学生だった頃、三好 達治 の詩「大阿蘇」から思い描いた風景に出会いたいと思っていました。
広大な阿蘇の中で蕭々と(しょうしょうと)降る雨 を感じてみたいとも思いました。
三好 達治 の詩「大阿蘇」の中で 目にとまった「蕭々と」という言葉の響きからくる新鮮な驚きを思い出します。
< もしも百年が この一瞬の間にたつたとしても 何の不思議もないだらう
雨が降つてゐる 雨が降つてゐる
雨は蕭々と降つてゐる >
永遠の時の流れと雄大な自然の阿蘇を感じる詩だと思いました。
しかし、その今度もやはり秋になってしまいました。
それでも 前日に通ったくじゅう連山の中の「やまなみハイウェイ」の景色と重なって、新たな阿蘇の風景は心に染みました。
朝の阿蘇パノラマラインから池で水浴びしたり、水を飲む牛たちが見えました。
その向こうに二重式の火山の阿蘇の火口原にある町もみえました。
火口原には約5万人が生活していて、田畑が開け、阿蘇市・高森町・南阿蘇村の3つの自治体があるそうです。
その中岳を含めた阿蘇五岳(根子岳、中岳、高岳、杵島岳、烏帽子岳)の眺めの雄大さ。そして、馬たちがゆっくりと草を食む草千里のさわやかさなどいろんな魅力溢れる風景が楽しめるところです。
その冒頭に見られる日本の美しい風景は、根子岳の険しい山容と中岳の草原を撮ったものだそうです。
米塚は高さ80mの小さな山ですが 、円錐状の非常に美しい形をしており、その頂上部分が大きくくぼんでいるのは噴火の名残です。
赤は、良縁成就。 紫は、身体健全。 緑は、学業成就。 黄は、金運向上。 白は、厄除祈願 だそうです。さて、わたしは何色で祈願しましょうか。
広大な阿蘇の風景は ハリウッド映画の西部劇の舞台に負けない迫力を感じました。
しかも、阿蘇の雄大さを演出してくれる放牧された牛や馬のゆったりとした様子は、ひろい風景の中に私も解き放たれていくような気持ちにしてくれます。
今度こそ、蕭々と降る雨の中で「独りのわたし」と対面し、初夏の緑の草原を走る風に吹かれてみたいものです。