富士山を仰ぐ旅
日本人は富士山に抱く思いは格別なもののようです。私も新幹線で富士山が見えるとやはりそこに目がいきます。
みなさんに「どうでした? 今日は富士山がきれいに見えましたか?」って聞かれます。きれいだったことを話すと幸運の札にあたったかのような安堵の色が現われてきます。
私は山陰の名峰大山(だいせん)の麓で育ったので、山の大きさ高さでは富士山にはかなわないとはいえ 大山も富士山と同じくらい美しいと思ってきました。
今回の旅では 天候に恵まれたおかげで いろんな場所から富士山を眺めることで、今まで気づかなかった富士山の魅力を感じることができました。
やはり富士山は日本一の山です。その富士山を眺めることができる範囲の広いことにも驚きます。今回は沼津から、東京から 箱根から富士山を眺めることができました。
奈良に住んでいる人から大台ヶ原の日出ヶ岳から富士山を見たことがある話を聞きました。 和歌山県の勝浦町から見ることができるそうです。
11月25日に都庁の上から富士山が見えました。近くにいる人と笑いながら「見えましたね!」と挨拶を交わしました。
山中湖に映る逆さ富士を撮りたいと思っていましたが 田貫湖でもきれいな逆さ富士をみることができました。
田貫湖は朝霧高原の一角に位置し、真東に富士山の全景が見えます。東西1km、南北0.5km、周囲4kmの湖水には逆さ富士が映ります。静かな神秘的な湖で、湖畔に立っていると気持ちが安らぎます。
田貫湖を挟んで東西に向かい合う場所に休暇村富士がありますので ここに泊まろうと思ったのですが11月は早くから満室でしたので 少し西に行ったところに宿をとりました。そこからも富士山がよく見えました。
田貫湖に映る富士山を撮っていると、地元の人が「今日は富士山が少しだけ赤くなるよ」と教えてくださいましたので、予定にはなかった場所で日没まで富士山を撮り続けました。