白髭神社は湖の中に鳥居がありました

今年1月に取り上げた 茨城県の大洗磯前神社の鳥居 は海の中にあり、名前のように大波に洗われていました。






先日、滋賀県の湖北を湖に沿って走っていると、近江最古の神社と表記された神社がありました。琵琶湖に鳥居が立っているのを見て、ひょっとしたらと思いました。
やはり白髭神社でした。湖に立つ鳥居の写真を見たことがあったのです。
御祭神は 猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)で、天孫降臨の道案内の故事から、道ひらきの神・人生の道案内の神と信仰されているそうです。三重県伊勢にある「「猿田彦神社」の蛙さんです。






茨城県の大洗神社は太平洋の大波に洗われるのですから コンクリートか石の鳥居でした。白髭神社の鳥居は朱塗りの木製です。水の中ではどのくらい持つのでしょうか?
それで思い浮かべるのは 世界遺産宮島厳島神社の鳥居です。
昔の人は腐りにくい楠材を使用して、海底土に埋まる部分は表面を焼いて炭化させたりして智恵を使っていたようです。60年から100年ごとに新しくなると聞きました。

この白髭神社の鳥居は 湖から船で参拝する人のためともいわれていますが、朱塗りの鳥居で近畿の厳島神社とも呼ばれているそうです。

鳥居の向こうに見えるのは琵琶湖で一番大きい島「沖ノ島





豊臣秀頼によって慶長8年(1603)年に再興された本殿は桃山建築の美が感じられる建物で、重要文化財に指定されています。






神社と湖の間には道路があり、交通量が多いので道を渡るのは難しかったです。昔はこの道路のところは電車が走っていたこともあるそうです。





本殿の後ろの石段をのぼると上の宮があり、伊勢両宮(天照皇大神宮豊受大神宮)が祀られていました。
上からの眺め





上の宮近くの見晴らしがいい場所に 紫式部の歌碑と蕪村の句碑、与謝野寛・晶子の句碑がありました。
紫式部平安時代の長徳2年(996)越前国司として赴任する父藤原為時に従って、この地を通った時に詠んだものとありました。
「みおの海に 網引く民の てまもなく
            立ちゐにつけて 都恋しも」
白洲 正子はこのあたりの景色がとても好きだったそうです。










やはり 琵琶湖は大きな湖ですね。場所によってその景色が大きく異なることに驚きがあります。
いつか琵琶湖一周してみたいと思うのですが・・・・
昨年湖北の海津大崎の桜を見たとき このあたりの砂浜と違って荒々しい岩の磯が続いていたのを思い出します。
竹生島の桜も綺麗でした。





琵琶湖の南と北では気候もかなり違うようです。余呉湖あたりは雪国で、まだ雪が残っているそうです。
紫式部の時代は湖西は都から遥か遠い地方だったのに、今では京都五条からバイパスで湖西まで一足飛びです。
便利になったものの あちこちが開発されて美しい姿が消えそうなのも心配になりました。