街路樹の役目
先週、万博記念公園の帰り道、千里中央側道に大きな街路樹が大きな葉っぱを広げて並んでいました。ユリノキです。
今花盛りと聞きましたが、高いところに花が咲いているのか 花を見つけることができませんでした。
木の高いところに黄色い花らしいものがありましたが、イメージだけで さてさて、ユリの花のようなのか・・・・チューリップの花のようなのか?
「ユリノキ」という名前は花が百合の花ににていることからついたそうです。
モクレン科ユリノキ属の落葉高木です。
別名、ハンテンボク(葉の形が半纏に似ることから。)とか チューリップツリー(花がチューリップに似ることから。)とか・・・他にも呼び名があるようです。
北アメリカ中部原産で、日本には、明治時代初期に渡来したとありました。生長が早くて高木になるのは メタセコイヤとよく似ています。
大阪の街路樹といえば、私は御堂筋の銀杏並木がすぐに思い浮かびます。
黄色く染まった秋は黄金の道をつくります。春の新芽の可愛らしい姿も好きですが、1年を通じて御堂筋に銀杏並木があることで御堂筋の風格を保っているようなきがします。
私が街路樹に関心を持つようになったのは、
今から15年も前(1994年)のこと、パリの街の手入れの行き届いたマロニエの並木を見てからです。
パリが美しいといわれるわけはこの美しい街路樹が華麗な装飾を施した建築物の引き立て役になっているからだと思ったほどでした。菩提樹やライラックも植えられていました。
歌や小説の中に登場する花が街路樹として植えられていることに胸がときめきました。
その前に行ったローマでは街路樹のプラタナスの大樹にも感動しました。
抱えきれないほどに成長したプラタナスを見たのは初めてで、日本より古い歴史を思い浮かべて嬉しがっていました。
古代ローマの時代には、プラタナスの木陰に人々が集っていた話を聞いたものですから 大喜びしました。
プラタナスは日本でも明治時代から「すずかけ」と呼ばれて街路樹と使われていたそうです。最近「すずかけの小路」とよばれるところはかなりたくさんありますね。
しかし、「すずかけ」と「プラタナス」が同じものだということを知ったのはローマでした。
もうひとつローマでは 松の木の街路樹が日本とは全く違った刈り込み方をされていて 不思議な気持ちで眺めたことを思い出します。
上海では、プラタナスがアーチ型になっていました。ローマのプラタナスと同じものとは思えなかったものでした。
カナダのメープル街道のサトウカエデも高木で美しく切りそろえてありました。
カナダ東部のナイアガラからセントローレンス川に沿って通ったときには 絵本の中を通っているようなメルヘンチックな気分になりました。
札幌のナナカマドの大きな赤い実を見たときも、びっくりしました。今まで見ていたナナカマドの実と全く違っていたからです。
仙台のトウカエデ、ユリノキ、メタセコイヤなど大木の街路樹も美しく感じました。
街路樹は街の美観のためだけではなく 季節の変化を知らせてくれます。
最近多くなったハナミズキは桜が散ったあとの街をもういちど華やかにしてくれます。
夏の暑さ対策、車の排気ガスの吸収にも大きな役割を果たしていますが、何より人々の心に潤いをあたえてくれていると思います。