「寿長生(すない)の郷」の水辺
「すない」とは井戸のつるべ(桶)を引き上げる縄を意味する豊国の言葉(古代の言葉)だそうです。
郷を訪れることにより、活力を汲み上げて欲しいという思いから名付けたもので、水引きと同じ意味だそうです。
私たちが20日に滋賀県大津市の「寿長生(すない)の郷」を訪れたのは、郷の水辺を見学させてもらうことでした。
私たちが出かけたとき、水辺を管理している方と「郷の自然探検」の親子たちが川床で休んでおられました。夏休みの自然探検が終ったところでした。
こどもたちは蝶やとんぼよりカブトムシをつかまえるのがたのしみだそうです。
ここではカブトムシを育てたり、オオムラサキの繁殖をしておられます。エノキに洗濯ネットがかぶさっていてその中で小さな小さなオオムラサキの赤ちゃんがいました。
昭和60年3月に 寿長生の郷はオープンしたそうですから、24年経って廻りの風景にとけこんでいるかのような郷にはいろんな仕掛けがありました。
和菓子をつくる叶匠寿庵の工場をこの地に移転することから始まったそうです。この郷の一角にある工場で使った水を浄化して郷の池に溜めてせせらぎに流しているお話ですから なかなかいいお話です。水の再利用をかねた水辺つくりですから・・・・
しかし山のことゆえ、大雨が降ると激流が流れてカワニナなども流れてしまうそうです。
川床がある一角によどみをつくってあり、そこにカワニナなどが一定量棲息するように工夫はしておられますが、ほたるは100匹ぐらいが限度だと説明されました。
せせらぎ周辺はほたるの卵を守るために8月末まで草刈をしないそうで、せせらぎが見えないほど草に覆われていました。
あまがえるだけでなく牛蛙もいます。とんぼのヤゴもいます。カワニナやほたるの幼虫の天敵もたくさんいました。特にほたるの幼虫だけを守ることはしないそうです。
我が家の近くのハンゲショウは白化がもどり緑っぽくなっていますが、ここはまだ白い葉が多く 場所によって違うようですね。
半夏生(ハンゲショウ)はドクダミのなかまですので花もにおいもドクダミに似ています。葉が白くなるところに不思議を感じさせる植物ですね。
「半夏生」は夏至から数えて11日目。今年の夏至は6月21日、それから11日目ですから「半夏生」は7月2日です。
「ハンゲショウ」の白い部分もこの日あたりが一番多いといわれています。しかし場所によってちがいがあるのですからそうとばかりは言えないような気がします。
山にでかけたとき「マタタビ」の葉も白いところがあり、花が咲いているのかと思いました。ハンゲショウと同じようにマタタビも葉が白くなるわけがはっきりとしていないところがあります。自然の不思議のひとつですね。
ここで庭内のせせらぎは管理されているそうです。
この登り窯のある近くにエノキがたくさん植えられて オオムラサキが育てられていました。
ハンノキにミドリシジミの卵がぎっしりついていたり、ヤナギの木にはコムラサキの幼虫がいるのをみて 家の庭でもそうですが虫食いの葉が目立つと美しく見えないし、とんぼの幼虫はほたるの幼虫を食べるし、殺虫剤を撒くと死んでしまう幼虫もたくさんいるし、自然を残す庭の管理は難しいと思いました。