京都井手町・玉川堤の桜のトンネル

京都の井手町は 奈良東大寺から北へまっすぐおよそ15kmのところにあります。
奈良時代文人政治家・橘諸兄(たちばなのもろえ)ゆかりの地です。
数々の歌に詠まれた井手の玉川の歌枕は山吹です。もともとは山吹の花が美しいところだったそうです。
しかし、「1953年8月14日の山城大水害で土手が決壊、井手町だけで107人の死者がでる惨事となり、山吹も全滅した。」とありました。
今は 地元の人の手で山吹が植えられて復活しつつあり、山吹の花も咲いていました。

国道24号線から上流の橋本橋まで川沿いに1.5キロの堤は4月5日に訪れると満開でした。
桜のトンネルの下を歩いていると見も心も弾んで 顔もほころんできます。土手の下のお家ではお花見が始まるようでした。高齢の女性だけのお花見会のようでした。楽しい会の雰囲気が伝わってくるようなほほえましい光景でした。
井手の玉川は木津川に流れ込んでいます。

その「玉川」とは清らかな水の流れる川のことらしく 井手の玉川を含めて「日本六玉川(むたまがわ)」と呼んで、和歌などの古典文学をはじめ、日本画や浮世絵にも登場します。

「日本六玉川(むたまがわ)」とは

  1. 野路の玉川(のじのたまがわ) : 滋賀県草津市老上町。
  2. 野田の玉川(たまがわ): 宮城県多賀城市
  3. 調布の玉川(たつくりのたまがわ) : 東京都を流れる多摩川調布市、田園調布
  4. 井手の玉川(たまがわ): 京都府井手町
  5. 三島の玉川(たまがわ): 大阪府高槻市
  6. 高野の玉川(たまがわ): 和歌山県高野山。いずれも桜の名所ですね。


ところどころ黄色い山吹がみえます