緑に包まれて歴史をつなぐ室生寺は女人高野と呼ばれています。

奈良の奥深い所にあって 深山幽谷に囲まれた室生寺は、真言密教の根本道場である高野山が、厳しく女人を禁制したのに対し、女人にも開かれた道場でした。
そのことから「女人高野」として親しまれてきました。
「女人高野」というひびきには ずっと昔から魅かれるものがありました。
とくにシャクナゲの咲く頃の「室生寺」は境内がピンクに染められて よりいっそう「女人高野」を感じさせます。
今回訪れた6月の室生寺は 花はなくあふれるほどの緑に包まれていました。

室生川と赤い太鼓橋




赤い太鼓橋を渡ると表門




仁王門









緑に包まれた金堂

金堂は平安初期に建立。中には一木造りのご本尊の釈迦如来薬師如来地蔵菩薩像、文殊菩薩像、十一面観音像が並んでます。それと運慶の作と伝えられる十二神将像が並んでいます。
今、平城遷都1300年祭にちなむ企画で8月末まで 特別公開されています。
http://www.murouji.or.jp/
この像が間近でみることができます。






本堂( 灌頂堂)も緑の中に

灌頂堂(かんじょうとう)は 真言密教の最も大切な法儀である灌頂を行う堂で、真言寺院の中心であるところから本堂です。
灌頂とは どういう意味だろうかと調べますと「主に密教で行う、頭頂に水を灌ぎ、正統な継承者とする為の儀式。」とありました。

本堂には二つの家紋が目立っていました
5代将軍徳川綱吉の母、桂昌院が、室生寺が窮状に瀕していたとき寄進して助けてくれたことへの感謝として、桂昌院の実家の家紋(九目結紋)と徳川家の家紋(葵紋)がありました。




五重塔も緑の中に





平成10年9月の台風7号で受けた傷もすっかり癒えたようです。



大師堂(開山堂) 

五重塔の脇を通って急な400段の石段を登り切ると奥の院です。私が写真を撮っている間に、健脚の夫がのぼってきました。
その時の写真を拝借。
弘法大師を祀る御影堂は大師堂(開山堂)とよび、板葺き二段屋根の宝形造りで、各地にある大師堂の中でも最古級の堂(重要文化財)だそうです。



ノキシノブによく似た葉の横に白い花

この季節の室生寺は花らしいものは見つかりませんでしたが 大樹の上のほうに白い花が見えました。
何の花でしょうか? この白い花はセッコクでした。( popaiさん micoさん ありがとうございました。)