晩秋の奈良公園
今秋は紅葉狩りにでかける機会が少なかったのですが、11月23日写真仲間の人たちと奈良公園を散策しました。
曇り空でしたが祝日とあって公園は人でうまっていました。
奈良公園は広いので 通りから外れると静かです。ゆっくりゆったり歩きながら晩秋の木々の葉の語らいを聞きました。
長田弘の詩の中に「まだ失われていないもの」があります。
何かがちがってくる。
風があつまってくる。
陽差しがあつまってきて、
やわらかな影が、 そこにあつまる。
見えないものがあつまってくる。
ふと、騒がしさが遠のいて、
それから、音もなく
明るい塵があつまってくる。
すべてが、そこにあつまってくる。
花のまわりにあつまってくる。
ふしぎだ、花は。
すべてを、花のまわりにあつめる。
匂いのように、時間が
蜜のように、沈黙が
あつまってくる。
ことばをもたない真実がある。
空の色、季節の息があつまってくる。
花がそこにある。それだけで
ちがってくる。ひとは
もっと素直に生きていいのだ。