京都・洛北の旧若狭街道一帯に伝わる火の祭典「松あげ」
松上げは、火の守護神として知られる、京の都・洛西の愛宕神社信仰の祈りが込められた行事です。小浜を起点として、南川を遡上して名田庄村に入り、周山街道の京都府京北町、美山町を経て、愛宕神社へと「松上げの道」がみられます。さらにこの道は、奈良東大寺に至るといわれています。
8月24日に美山町芦生の松あげの写真を撮りに行かないかとお誘いがありました。
「ほたるの撮影」の時も同じですが、京都洛北の夜の行事は帰宅が遅くなります。昨年までは現地で1泊していましたが、今年から無理すれば大阪までなんとか辿りつけることがわかりました。とは言え、行事の終了時刻と道路事情で最終列車の終着駅が問題です。思案するところです。
偶然にもTVで8月15日に行われた花脊松上げを観たところでした。
「松あげ」のこと、ほとんど知らなかったのですが、夏の夜空を焦がす伝統行事の美しさに魅かれるものがありました。
火の神様「愛宕信仰」が小浜を起点として周山街道を通って、奈良の東大寺まで至るということに関心を持ちました。そういえば奈良東大寺の二月堂のお水取りの水も小浜と関連がありますね。
3月12日に奈良東大寺二月堂で行われる「お水取り」に先がけて、毎年3月2日に行われる小浜市神宮寺の「お水送り」は、奈良と若狭が昔から深い関係にあったことを物語る歴史的な行事です。「お水取り」の時の大松明も古都の夜を焦がす伝統行事です。
まずは思い切って「火祭り」見物に参加することにしました。美山にある「芦生の松あげ」の場所は「京都大学の芦生研究林」へ行く途中にあります。由良川のほとりにある灯籠木場(とろぎば)と呼ばれるところを何度かみたことがあります。
灯籠木場(とろぎば)は今でも女人禁制だそうです。
由良川沿いの道は狭くて撮影場所の確保が難しいということで、お弁当を買って現地で食べることになりました。現地到着3時半から「松あげ」開始までひたすら待ち続けました。
右が灯籠木場(とろぎば)です。由良川に小さな橋がかけられています。この橋から先は女人禁制です。
この灯籠木はヒノキでできていて、高さは20mを越すものです。灯籠木を囲む広場にはたくさんの地松が立っています。暗くなるとこの地松に次々と明かりがともっていきます。
拍手があがります。今年は例年よりかなり早く火が付いたそうです。見物者にとっては投げる人は上手でない方がいいですね。それだけ長く楽しめますから・・・