奈良・荒神の里の蕎麦畑

 
 9月にでかけた信州から「新そばがでましたよ」という便りが届きました。新そばの時期は北海道から順に西にくだっていきますが、10月半ばは日本列島の真ん中あたりの信州が「新そば」をいただく時期になったようです。
 
 そばの収穫には夏と秋がありますが、夏のものは「新そば」とはいわず、「夏そば」と呼んで秋物と区別しているようです。 味も風味も秋の蕎麦がいいとされ、「新そば」と呼んでいるようです。
 
 9月20日 写真撮影によく連れて行っていただいているJさんとPC仲間のHさん3人で 奈良の蕎麦畑・笠にでかけました。私は以前にでかけた時には、一面の蕎麦畑の景色に歓声をあげたことを記憶しています。
 桜井市「笠地区」は標高400mから500mあるそうです。そばづくりに適した気候、風土の土地だそうです。さらに一日の寒暖の差が大きいことで美味しい蕎麦ができると聞きました。
 ところが、9月20日にでかけたときは 以前の景色と違っていました。一面の蕎麦畑というにはところどころ茶色の地面が目立ちます。蕎麦以外の作物も栽培されていて、「関西の信州」という景色には遠く、一瞬残念な気持ちがしました。
 しかし、畑の見回りにこられた畑の持ち主の話をうかがって反省しました。台風12号の被害で収穫前の蕎麦が水につかったため、大急ぎで刈り取ったということでした。胸が痛みます。刈り取ったあと すぐに播いた種がもう芽を出しているのをみると蕎麦の成長は早いのでしょうね。
 9月の初め台風12号紀伊半島奈良南部を襲い、死者・行方不明者が90人を超え、平成最悪級の被害になりました。台風の被害は西日本の各地に及びました。今年の災害は格別な気がしてなりません。
 私たちが出かける前日も雨、翌日も雨という生憎の天候でしたが 不思議と当日はほとんど雨にあわずにすみました。
 

雨上がりの蕎麦畑
















台風で刈り取られた畑には、もう新芽が出ています







蕎麦畑の近くには 日本三大荒神さんのひとつ笠山三宝荒神さんがあります。初めて火をおこし、物を煮て食べることを教えた土祖神(ハニオヤノカミ)興津彦命(オキツヒコノミコト)興津姫神オキツヒメノミコト)の三神が祀られいます。
三千年の歴史を持つ「かまどの神様」とありましたが、三千年とは神話の世界ですね。
「笠山三宝荒神」のそばには「笠そば」という蕎麦屋さんがありました。3人で美味しいお蕎麦を食べてきました。ここの「新そば」は11月中頃に出るそうです。「野菜の直売所」もあり、安くて新鮮なキュウリ、ナス、トマト、ピーマンを購入しました。私は以前からいろんな「道の駅」を利用していますが、「笠そば」の野菜は格別美味しくて安いと思いました。
そば処「笠そば」さん






コスモスと蕎麦畑を眺めながら蕎麦をいただきました

















トレニアの花に大きな黒いアゲハ蝶ナガサキアゲハがとまっていました










 3人の撮影会は、1年ぶりでした。そば処で美味しいお蕎麦をいただいて、お互い変わりないことを確認しあって それほどおしゃべりするわけではないのですが、なんとなく心あたたまる時間でした。笠の蕎麦畑のあとは 明日香・稲渕の棚田と案山子の撮影に廻りました。75歳になられる「3人撮影会」の発起人Jさんの「僕は今まで生きてきて、今が一番幸せを感じる。今までは生きることに一所懸命で自然や花を美しいと感じる余裕なんてなかった。」という言葉が心にじーんと響きました。