奈良・郡山市の椿寿庵を訪ねて・・・

 3月14日(水)は朝から珍しいほどの好天気でした。ぽかぽか陽気が心身を解き放ってくれたかのように伸びやかな気分になりました。
 今日は久しぶりにJさんと写真撮影にでかける約束になっていました。Jさんはひとつき近くも風邪で寝込んでおられて、やっと完治されたばかりです。Jさんの回復に合わせたかのような晴天に、お天気までが病気回復祝いをしてくれたと思いました。
 Jさんの案内で訪れたのは奈良・郡山市にある「椿寿庵(ちんじゅあん)」です。私は初めてですが、椿愛好家にはよく知られたところだそうです。

 その椿寿庵(ちんじゅあん)ですが、個人宅の2つの温室に1300種類、6000本ものツバキが栽培されていました。
もともとは椿愛好家の西畑義雄さん(故人)が約50年前から趣味で椿の栽培と収集されてきたものです。今は息子さんである住男さんの奥さんと娘さんの戸尾早苗さんが管理され、無料で公開されていました。
 私は京都・城南宮奈良・白毫寺(びゃくごうじ)で珍しいツバキを見たことがあります。その時もツバキの種類の多さに驚きましたが、椿寿庵のツバキはそれ以上でした。香りがするツバキの花、大きい花から小さい花まで、葉も細くて長いもの、魚の尾のような形、まん丸いものなど様々でした。日本原産古典的なツバキから筒状の侘助(わびすけ)、中にはバラと見まがうゴージャスな園芸品種もあり、目移りしてばかりでした。最近では日本以外のアジアの国のツバキとの交配種もかなり多くなったと聞きます。

Wikipedia」によると、
<ツバキ(椿)は、ツバキ科ツバキ属の植物、学名Camellia japonicaであり、日本原産の常緑樹。野生種の標準和名はヤブツバキ、その近縁種のユキツバキがあるほか、侘助、乙女椿など多くの園芸品種を椿に総称することはある>とありました。 
日本以外のアジアのツバキと日本のツバキはかなり違うようですが 欧州で改良されて種類も多くなったのでしょうか?

外国産のツバキは花も大きくて花弁の数も多く、目をひきます。そしてその名前にまで圧倒されます。「バレンタインデー」と言う名前の大きな花のツバキがありましたので、「ホワイトデー」をさがしましたが見つかりませんでした。「ドラマガール」という名前のツバキもゴージャスでした。
藪椿やワビスケのイメージからは一変したツバキの花に見惚れましたが、それでも私が撮ったツバキの花は小さい優しい色のものばかりでした。圧倒されておじけついたようです。

「春風」と名のついた爽やかな椿





「春風」は薫りも一緒に運んでいました









































「ミルキーベル」という名のツバキは名前と花がピタリでした














西畑さんのお宅でもある「椿寿庵」入口





門を入ると倉があり、庭には椿のほかにもヒメリュウキンカの花が満開でした














さらに「 Wikipedia」によると、
<武士はその首が落ちる様子に似ているというのを理由にツバキを嫌った、という話もあるがそれは幕末から明治時代以降の流言であり、むしろ潔しとした。実際には江戸時代には大々的に品種改良が進められていたというのが真相である。1600年代初頭には多数の園芸品種が流行。1681年には,世界で初めて椿園芸品種を解説した書物が当時の江戸で出版される>とあります。椿は日本で愛されてきた花のようです。

西畑さんのお宅はこれだけのツバキの花の管理もたいへんでしょうが、無料公開されていて 時には観光バスで訪れるひとたちもいるそうですので ご苦労なさっているのでしょうね。お茶まで用意してありました。何から何まで感心するやら感謝するやらでした。