早春を代表する木の花・梅の花によせる思い

 2月7日(木)「大阪花の会」の撮影会が大阪万博記念公園でありました。予報では「寒の戻り」で寒い日ということでしたので、しっかり着こんで参加しました。ところが、園内を歩いているとポカポカ温まって 春のひざしの中にいるようでした。
 万博記念公園での撮影会は「大阪花の会」代表のFさんの案内で園内を廻るところが魅力です。Fさんは休園日の水曜日、それと日曜日をのぞいて、雨の日も風の日もこの園に通っておられますので、園内の植物について、それこそ「生き字引き」の人です。しかも「花を撮る」こと、「花を美しく撮る」ことにおいて、さまざまな挑戦をされていますので、並んで花にレンズ向けているとき、私の写真の世界も広がっていくような気になります。
 公園入口で9人が集合して、まず向かったのが梅林です。やっとちらほら咲き始めたようです。梅の花に鼻を近づけるといい香りが漂います。
「馥郁(ふくいく)たる梅の香り」です。
馥郁(ふくいく)とは「よいにおいがあたりに広く漂うさまを表わす」そうですが、「梅」の香りにだけ使うのはどうしてでしょうね。

そういえば、早春の木の花に「梅」の字がついているものが いくつかありますね。
香りのよい「蝋梅(ろうばい)」は1月の花です。ジャスミンの仲間の迎春花ともよばれる「黄梅」クスノキ科壇香梅 (だんこうばい)、小さい可愛らしいバラ科の花、魚柳梅(御柳梅)にも「梅」の字がついています。昔から人々が梅によせる思いの強さがそうさせたような気がします。

芭蕉の弟子 服部嵐雪の句「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」を感じながら公園内を散策しました。












もうひとつの梅「金縷梅」
「万作」のことを俳句の世界では「金縷梅」と表記するそうです。
新しい年を迎え「まず咲く」から「まんさく」と言う名前がついたと聞きました。花の数が多いから「万咲く」という説もあるそうです。豊年満作の「まんさく」という説も。
では、「金縷梅」はどこから呼ばれるようになったのか、と思うのですが、その由来は花を観察すると納得できます。
シナマンサクの花は金色の糸がくるくる捲いています。「縷」は糸のことです。そして縮れた糸の中に梅の形をした花が咲いています。まさに「金縷梅」です。















万博公園にはシナマンサクの大木がたくさんありました

















それぞれの思いをこめて水仙にレンズを向けておられました。





梅の枝にジョウビタキ





長い日本の歴史の中では、梅の花は春の訪れを告げるものとして 愛されてきた花です。
万葉集では梅を詠んだ歌が萩に次いで多いそうですが、平安時代になっての古今和歌集では梅よりも桜を詠んだ歌のほうがはるかに多くなってきたようです。春の花の代表は梅から桜に変わったのですね。
日本人には桜の花は特別な花のようですね。