6月は花菖蒲(ハナショウブ)の季節です。

 6月になると 花菖蒲が池や沼地を彩ります。面白いのは「何れ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」と、甲乙つけがたいものを比べる時に使われる諺があるのですが、花菖蒲が入っていないことです。
 調べたところ、「何れ菖蒲(アヤメ)か杜若(カキツバタ)」という諺は太平記・二一」の中の、五月雨で水かさが増してどれが菖蒲かわからなくて引き抜くのをためらったことから生まれたという説と・・
源平盛衰記の中で、源頼政が怪しい鳥を退治した褒美として、菖蒲前という美女を賜るときに十二人の美女の中から選び出すように言われて詠んだ歌がもとになっているという説のふたつがありました。
「花菖蒲」はそれからずっと後になって、ハナショウブが改良されてうまれた花だということで、諺の仲間に入らなかったのでしょうか?鑑賞用に改良されたもので自然種と違うからでしょうか?
 「花菖蒲」は観賞用として江戸後期から盛んに改良され、しかも武士に愛され、武士の手によって改良されていったということです。花菖蒲は雌しべが他の花より大きいため、花の形を決める重要な要素になると考えられ、「雌しべに」に「武士道の精神」まで託したという肥後熊本藩の話もありました。
肥後熊本では、それぞれが改良した「花菖蒲」を室内に飾り鑑賞していたそうです。
花の命はわずか三日です。
その三日のために、一年間、手塩にかけて育て、丹精込めて手入れを行います。
日ごろの修練を重んじた武士は、花菖蒲を栽培することを精神修養のひとつと考えたとありました。
「花菖蒲」でなくとも手塩にかけて育てることは精神修養がいると思うのですが、そこには武士の「美意識」があったのでしょうか?
それ以来「花菖蒲」は日本人の美意識を感じさせる花として愛されてきたようです。

 花菖蒲(ハナショウブ)は、葉が菖蒲に似ていて花を咲かせるから「花菖蒲」とよばれているそうです。江戸後期から改良に改良を重ねてきたので とにかく種類が多く5000種もあるとか・・・。色も様々、咲く時期もアヤメ、カキツバタハナショウブの中で一番長く、6月上旬から下旬まで次々と咲いて楽しませてくれる花です。
簡単な見分け方は花びらのつけねが黄色のものは花菖蒲、白いものがあるのが杜若、網目模様のものがアヤメです。
 

色とりどりの花菖蒲で沼地はお花畑 です













































花菖蒲の横に桑の木がありました。黒い実はみんなに食べられて赤い実と青い実が残っていました。