山の辺の道の中間地点にある長岳寺の紅葉

 11月22日 奈良の天理市の南端にある長岳寺にでかけました。この日は曇り空でしたが、時折顔出す太陽で境内にある池に紅葉が映ってきれいでした。
 長岳寺は1180余年も前に創建された古刹です。当時は衆徒三百余名を数えたほどの勢いある寺だったそうですが、今は荒れた山寺でした。
 平安時代のつくられた楼門(門の上に鐘を吊っていたので、鐘楼門ともよびます)は日本最古の鐘楼門です。中世には興福寺の末寺であったとか。
本堂は江戸時代後期に再建されています。
 11月末まで、寺秘蔵の狩野山楽筆 大地獄絵図を開帳しているということで、荒れた山寺にしては参拝者が多かったです。
 子どもの時、山陰の田舎寺で見た地獄絵図を思い出しました。
地獄極楽絵図を通じ 道徳的生き方を説いていたのでしょう。悪いことをすると地獄に落ち、いい行いをした人は極楽にいけるということをいろんな人から聞かされた記憶があります。そういう教えはいつの時代から 語り伝えられるようになったのでしょうか。
 

日本最古の鐘楼門












本堂前の放生池に映る桜門





放生池から見る本堂





本堂から放生池を見る





藤原時代の作・多門天







増長天


































長岳寺は大和古道のひとつ「山の辺の道」の中間地点にありますが、この辺りには古墳や天皇陵が散在しています。
古事記」の崇神天皇の条「御陵は山辺の道の勾の岡の上に在り」
古事記の景行紀には「御陵は山辺の道上に在り」と書かれています。
その崇神天皇陵と行燈山古墳(あんどんやまこふん、あんどやまこふん)は長岳寺のすぐ近くにあります。黒塚古墳や櫛山古墳も近くです。
長岳寺の門の前には天理トレイルセンターがあり、山の辺の道を散策する人の休憩所になっています。古墳についての展示や案内もありました。