大阪と奈良の県境にある生駒山系と金剛山系の魅力

 生駒山は大阪と奈良の県境にある山です。その生駒山系の西麓を南へ進むと、信貴山が見えます。(雄岳 の北峰437mと雌岳の南峰400.5mの二峰からなっています。)
 聖徳太子物部守屋を攻めたときにこの山で毘沙門天が現れ、聖徳太子信ずべし、貴ぶべしといったことから「信貴山」と名づけられた山との伝説があります。
 続いて高安山(488m)があります。7世紀後半に大和朝廷により大和国防衛の拠点として安城が築かれたところです。
 ふたこぶラクダの山、二上山(にじょうさん)は形からよく目立ちます。ふたつのこぶは雄岳(517m)雌岳(474m)です。大和言葉による読みで「ふたかみやま」と呼ばれていましたので、今でもふたかみやまとよぶ人もいます。古来より、奈良の都からみると雄岳・雌岳の間に日が沈みます。そのため神聖な山として崇められてきた歴史があります。謀反の疑惑をかけられて自害した悲劇の皇子、大津皇子の墓が雄岳山頂付近にあります。
 二上山の南側は日本書紀推古天皇21年(613年)の条に「難波(大阪)より京(飛鳥)に至る大道(おおじ)を置く」と記されていた、日本最古の「官道」竹内街道が通っています。今は国道166号ですが、当時の趣が今でも残る道です。
さらに南阪奈道路も開通しました。この路を通って奈良に入ると奈良盆地に浮かぶように大和三山が見えます。古を思い浮かべることができる道です。
 葛城山(959.2m)と金剛山(1125m)が見えてくると、山の傾斜が緩やかになってきます。この緩やかな金剛山麓の風景は、私のお気に入りです。気持ちがさーと拡がっていくような開放感を覚える場所です。
 面白いのは、生駒山系は西側(大阪府側)は断層により急傾斜しているのに対し、東側(奈良県側)は比較的傾斜もゆるく、裾野が広がっているのに対して、金剛山系では西側の傾斜が緩やかで、東側の奈良県側は急斜面で奈良盆地へと続いていることです。
 
 大阪府内で一番高い山は? と聞かれたら、ほとんどの人が金剛山(1125m)と応えます。
しかし、大阪で一番高い山は葛城山(959m)です。二つの山とも奈良県との県境にあるので、金剛山の頂上は奈良県にあるからなのです。
では、大阪で一番高いところは?と聞かれたら、金剛山の中腹で、県境の1053m地点です。
 葛城山は大阪にふたつあります奈良県境にある葛城山和歌山県境にある葛城山です。
奈良県境にある葛城山大和葛城山とよび、和歌山県境の葛城山和泉葛城山とよんで区別しています。
「参考」大和葛城山ツツジ http://d.hatena.ne.jp/ikomanokaze/20100519
     大阪で二番目に高い山 葛城山(本当は一番高い)に登る http://d.hatena.ne.jp/ikomanokaze/20051021
    雪の金剛山 http://d.hatena.ne.jp/ikomanokaze/20110204
    生駒山系の北へ http://d.hatena.ne.jp/ikomanokaze/20100329
   大阪の最高峰金剛山(本当は葛城山)  http://d.hatena.ne.jp/ikomanokaze/20080121