奈良・元興寺の柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)と節分会

 2月3日は節分の日です。毎年 各地の寺社では節分祭が催されています。
6年前に奈良の方のお誘いで出かけたことを思い出し、元興寺の節分会に出かけることにしました。
 元興寺は現在では「奈良町」の一角に存在しています。しかし、天平時代には、奈良町が元興寺の境内にあったとうくらいの広大な寺域を持つ大寺院だったということです。
蘇我氏の氏寺として、蘇我馬子を本願とする寺です。

 元興寺の節分会は本堂に不動明王遷座して僧侶による供養が行なわれ、続いて本堂前で導師と行者衆による星祭・厄除け・招福祈願の柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)と火渡りが修されます。その後境内特設の舞台から年男と年女、僧侶などによって豆まき行事が行われます。
豆まきは、鬼を追う神事から始まったとされます。
本来は「福は内」の掛け声だけだったそうです。あとで、「鬼は外」が対句として使われるようになったようです。
 
 元興寺は、八雷神や元興神の鬼の発祥地であるので『近年あえて「福は内、鬼は内」と呼ぶようにしています。』と住職さんの説明がありました。

 

重要文化財元興寺東門





極楽堂とたくさんの石仏の庭












奈良のマスコット「せんとくん」は子どもたちの人気者です

「せんとく〜ん」という子どもたちの黄色い声が境内に響きました






柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)とは、炎の中に不動明王勧進し祈願を行うものです。
不動明王などの前に壇を築き、火炉を設けて木などを燃やし煩悩を焼却し、併せて息災を祈願する密教の修法で、日本特有の仏教行事です。
















炎に願いを書いた護摩木を投入し焼き尽くすことで願いごとをお不動様に聞いてもらいます





火の「焼く」という働きを使って、護摩の火で、煩悩や、身に降りかかる諸々の悪い事、いやな事などを焼き尽くすのです。導師が最初に黒こげの丸太の並びを渡ったのを皮切りに、一般の人も参加し希望者が次々に火を渡って行きます。




















いよいよ 豆まきが始まります。境内は身動きできないほどの人であふれています。高い舞台の上でお坊さんたちは その様子をスマートフォンで撮影して、どこかに送っています。時代でしょうか、つい先ほどまで厳かな儀式を執り行い、厳粛な顔つきだったお坊さんが豹変する様子に唖然としました。



















趣ある奈良町風情