赤瓦への郷愁

私が幼少期を過ごした山陰地方はほとんどの家は赤瓦が使われていました。小学校6年のとき両親と東京観光に出かけました。当時の旅は今では想像ができないものでした。列車の中で一泊するのですから 東京はとても遠いところにありました。石炭のどこか甘さの混じった煙と一緒に見た黒瓦の家並が旅の興奮を掻き立てました。

私が子供のときに聞いた話では 「赤瓦」は山陰地方の冬の寒さに耐える瓦であるということでした。しかし、沖縄も赤瓦が使われていますので、他にもわけがありそうですね。
当時でも私の村にも「黒瓦」の家がありました。村の庄屋は黒瓦でした。武家屋敷も黒瓦でした。そんなことを考えると「赤瓦」は庶民の瓦だったのかな?コストが安かったのかな?・・・なんて思ったりもします。

昨日の日経新聞に 森鴎外の生地 島根県津和野の写真が大きく掲載されているのを見ました。「赤瓦の家並が連なる」写真の美しさに感動しました。北欧の家並みにも似ているような、お伽の国のような素晴らしい写真でした。