古代出雲王陵の丘

私が幼少期よく遊んだところに横穴がありました。だれかが昔の偉い人のお墓と教えてくれました。しかし、暗い穴に興味はなくそのまま忘れて その地を離れて暮らしていました。
今から10年ほど前に 大阪市立美術館で「古代出雲文化展」が開催されました。
それよりさらに10年ちょっと前に 島根県宍道湖の北西の小さい谷で夥しい銅剣、銅鐸などが出土して話題になりました。 神庭荒神谷遺跡 命名されました。古代出雲のロマンが大きく膨らみました。
そんなこともあってか 私は大阪市立美術館に出かけてみたくなり、友人と出かけました。
そこで また新たな発見がありました。私が遊んでいたあの横穴周辺は弥生時代から古墳時代にかけて古代出雲を代表する墳墓が多数築かれていたところだったのです。
いまでは整備されて「 古代出雲王陵の丘(造山公園)」になっています。
私の父も、兄も、弟もここのすぐ横に眠っていますので たびたび訪れる場所ですが、今度久しぶりに王陵の丘の上にあがってみました。
東に美しい大山が見え、西には中海と大根島島根半島が見えるすばらしいロケーションにうっとりしました。まさに「国引き神話」の世界が広がっているようでした。

王陵の丘から見る中海



遠くに大根島と弓ヶ浜とそれをつなぐ橋が見えます

中海は島根県の東部と鳥取県の西部にまたがっています。鳥取県の弓ヶ浜と島根半島に囲まれていて、日本で5番目に大きい湖です。中海は日本海と繋がっているため、海水の半分の濃度を持った汽水湖で、海水魚、淡水魚ともに生息している貴重なところです。
干拓地と農業用水確保を目的に中海を淡水化する計画が進んでいましたが、反対運動によって中止になったものの、一部干拓は完成しました。以前のようにはもどらないかもしれませんが、中浦水門の取り壊しによって淡水化にはならずにすみました。しかし、一度壊したものは元にもどることは難しいです。




王陵の丘から冠雪の大山が見えます